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中学受験の国語で時間が足りない。読む速さを上げる前に調べたい三つの時間

執筆:国語ゼミスタッフ

時計を置いた明るい学習机で、本文を指で確認しながら国語の答案に取り組む小学生

こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!

「最後の大問まで、たどり着けなかった」「あと少し時間があれば、書けたのに」。模試や過去問の後、お子さんからこうした言葉を聞くことはないでしょうか。

解答用紙の後半に空欄が続いていると、もっと速く読めるようにしなければ、と考えたくなります。ただ、本文を読む時間を短くすることが、解決につながるかどうかは、答案だけでは判断できません。

本文は読み終えていても、根拠を探して何度も読み返しているのかもしれません。選択肢を二つに絞ったところで迷っているのかもしれません。記述を途中まで書いては消し、書き直している場合もあります。

まず確かめたいのは、「読む」「探す・選ぶ」「書く」の、どこで時間を使っているかです。この記事では、ご家庭でできる記録の取り方と、それぞれの場面に応じた練習、志望校に合わせた時間配分の考え方を紹介します。

「時間が足りない」を三つに分けて見る

国語の問題に取り組んでいる時間を、次の三つに分けてみます。

時間の使い方と確認したい様子
時間の使い方ここで行っていること確認したい様子
読む時間本文を最初に読み、内容を捉える知らない言葉や長い一文で止まっていないか
探す・選ぶ時間設問を読み、本文に戻って根拠を探し、答える内容を決める同じ場所を繰り返し探す、二つの選択肢の間で迷い続けることがないか
書く時間決めた内容を解答欄に書き、必要に応じて直す書き始めてから内容を考え直す、字数を超えて消し直すことがないか

表は横にスクロールして確認できます。

実際には、この三つを行き来します。記述を書いている途中で本文に戻ることもあるため、完全に切り分けて測る必要はありません。どの場面で止まっているかを見つけるための整理です。

たとえば、本文を急いで読み終えても、内容のつながりがつかめておらず、設問のたびに冒頭から探し直していれば、大問全体には時間がかかります。反対に、最初に時間をかけて読んでいても、その後の設問に迷わず答えられているなら、初読だけを急がせるべきかは慎重に考えたいところです。

読む時間の長短と、大問を解き終えるまでの時間を、あわせて確認しましょう。

読む:言葉や一文で止まる場合は語句の意味と文のつながりを確認。探す・選ぶ:根拠探しや選択肢で迷う場合は探す内容を決めて本文で比較。書く:書き直しが多い場合は内容を整理してから解答する。時間と正確さをあわせて確認する。
「読む」「探す・選ぶ」「書く」は、実際には行き来する場面です。固定の手順や理想の時間配分を示すものではありません。図版をタップすると拡大できます。

家庭では、まず大問一つの時間を記録する

記録するのは、少数の区切りでよい

最初は、普段使っている教材の読解大問を一つ選びます。解く順序は、いつものやり方で構いません。計り始めた時点からの経過時間を、本文を初めて読み終えたところと、大問を終えたところで記録します。

設問を先に見る習慣がある場合は、そのことも一言残してください。「本文の初読終了まで」の時間に、設問を読んだ時間が含まれるからです。

解き終わったら、どの設問で迷ったか、そのとき何をしていたかを本人に振り返ってもらいます。「何分かかったか」に加えて、「その間に何をしていたか」がわかると、次に確認することを絞れます。

次の表を、ノートの一角に写す程度で十分です。

家庭で使う時間の記録表
記録項目記入欄
使用した問題学校名・年度・大問番号/教材名・ページ:____
取り組んだ順序本文から/設問から/その他:____
本文を初めて読み終えた時点開始から__分__秒
大問を終えた時点開始から__分__秒/未完了
時間を使ったと感じる設問問__:根拠を探した/選択肢で迷った/書き直した/その他
解いた後にも残った疑問____

この記録だけで、「探す・選ぶ」と「書く」の時間が正確に分かれるわけではありません。気になる記述問題があれば、別の演習でその一問について、考え始めた時点・書き始めた時点・書き終えた時点を記録すると、より詳しく確かめられます。

計時のために何度も作業を止めると、普段の解き方が変わってしまいます。本人が記録に気を取られるようなら区切りを減らし、詳しい観察は講師に相談しましょう。

時間があれば解けたのかも確かめる

一回分の過去問を本番と同じ制限時間で解くときは、時間になったところで、どこまでできたかを残します。その後、答えを見ずに時間を追加して取り組むと、空欄だった問題に自力で対応できるかを確認できます。

追加分は別の色で書く、時間内の答案を撮影しておくなど、区別できる形にしてください。追加して取り組んだ分まで、本番形式の得点に含めないようにします。

時間を延ばすと解けるなら、配分や解く過程を見直す手がかりになります。時間を延ばしても解けないなら、語句・本文の理解や設問への対応も確かめる必要があります。ただし、一問の結果だけで原因を決めず、ほかの問題でも似た様子があるかを見ていきましょう。

読む段階で止まる場合は、言葉と一文の理解を確かめる

本文を読む途中で何度も止まっているときは、まず、どの言葉や一文が読みづらかったかを確認します。

漢字を読めることと、その言葉を文の中で理解できることは別です。読み方はわかっていても、使われている意味がつかめず、前後を何度も読み返していることがあります。また、言葉の意味がわかっていても、誰が何をしたのか、何と何を比べているのかが捉えられない場合もあります。

たとえば、次の一文です。

姉が弟に貸した本を、母が机の上に置いた。

※読み方を説明するための自作例文です。

「貸した」のは姉で、「置いた」のは母です。この関係が曖昧なまま先に進むと、後から誰の行動かを確かめるために戻ることになります。

復習では、止まった一文を短いまとまりに分け、「誰が、何をしたか」を言い直してみます。知らない語句は、意味を調べた後、元の文に戻して意味が通るか確かめます。まず、読みづらかった部分を正確に理解する練習をしましょう。

文章全体については、説明文なら「何の例か」「前の段落とどうつながるか」、物語文なら「どの場面か」「誰の言動か」を意識します。段落ごとに長いメモを作る必要はありません。設問で戻るときに、どのあたりを見るか見当がつくことを目指します。

同じ文章を読み直して時間が短くなっても、内容を覚えている分だけ速くなった可能性があります。別の初見の文章でも、意味を保って読めるかを、あわせて確認してください。

探す・選ぶ段階で止まる場合は、判断の観点を絞る

本文に戻る前に、何を確かめるか決める

設問を読むたびに本文の最初から探し直している場合は、まず、探す対象を整理します。

誰についての問いなのか。どの場面のことなのか。理由を聞かれているのか、言葉の意味を説明するのか。ここが曖昧だと、本文のどこを見ればよいかも定まりません。

練習では、本文に戻る前に、「主人公が帰ろうとした理由を探す」など、探す内容を短く言葉にしてみます。そのうえで、該当する場面や段落を確かめます。傍線部の近くで答えが見つからなければ、必要に応じて前後や離れた箇所まで範囲を広げます。

本文への戻り読みは、根拠を確認するために必要です。減らしたいのは、目的が定まらないまま、同じ範囲を何度も読み直す時間です。

二つの選択肢が残ったら、違う部分を探す

選択肢を二つに絞った後、全文を交互に読み続けても決まらないことがあります。そのときは、二つがどこで違っているかに注目します。

人物の気持ちを説明する言葉が違うのか。理由として挙げている出来事が違うのか。本文では一部の話なのに、選択肢では全体の話になっていないか。違う部分がわかれば、本文で確かめる対象も絞れます。

復習では、正しい選択肢の説明に加え、自分が選んだ選択肢のどこが本文と合わなかったかを確認します。読み返す回数を減らすことだけを目標にせず、一度戻ったときに何を確認するかを具体的にしましょう。

書く段階で止まる場合は、書き直しの理由を見る

記述に時間がかかるときも、文字を書く速さだけが問題とは限りません。

書き始めてから「この内容も必要だった」と気づく。途中で指定字数に収まらなくなる。主語や文末がつながらず、最初から書き直す。こうした場合は、解答欄に書く前の準備を見直します。

練習では、設問に答えるために必要な内容を、短い言葉で置いてから文章にしてみてください。本文中の語句に印をつける方法でも構いません。完成した答案を下書きしてから清書すると二度書くことになるため、メモは内容とつながりを確かめる程度にとどめます。

たとえば、理由説明なら、理由として使う内容を決め、その内容が設問で聞かれた行動につながるかを確認してから書きます。書き終えたら、求められた内容と字数などの指定を見直します。

準備を入れた結果、書き直しを含む全体の時間がどう変わったかを確かめることが大切です。メモを作ること自体が目的にならないようにしましょう。

一方、答える内容は決まっていて、消し直しも少ないのに、書き終わるまでに時間がかかる場合もあります。そのときは、実際の解答欄に読み取れる文字で書く様子を確認します。極端に小さく書いていないか、漢字一字を思い出すために長く止まっていないかなど、どこに時間がかかるのかを見ます。書く途中で考え直す時間と、文字を書く時間を分けて考えたいところです。

志望校の時間配分は、過去問で試して調整する

「本文は何分」と一律に決めない

本文の長さ、設問の数、記述の分量によって、必要な時間は変わります。本人の読み方や得意な問題形式も異なるため、すべての学校・すべての生徒に共通する分数を、そのまま当てはめることはできません。

まず志望校の過去問を解き、大問ごとの所要時間、時間内に取り組めた問題、正答状況を並べてみます。その記録から、「次の大問に進む時点」「見直しに残す時間」など、少数の目安を立てます。

公表されている配点があれば参考にできますが、正確な配点が不明な問題について、見た目から決めつけないようにしてください。問題形式と、本人が実際にどこまで答えられるかも含めて考えます。

迷ったときの切り上げ方も練習する

一問で長く止まった結果、後の問題を読む時間がなくなる場合は、その問題をいったん保留して進む練習も必要です。

ただし、「記述は全部最後に回す」「難しそうな問題はすべて飛ばす」といった決め方では、本人が得点できる問題まで後回しになるおそれがあります。過去問での解答状況から、どの問題を先に扱うかを試しましょう。

保留にする場合は、後で戻る設問に印を残します。解答用紙の番号を確認し、次の問題の答えを違う欄に書かないようにすることも、練習に含めます。

配分を変えたら、次の過去問で、最後まで進めたかと正答状況をあわせて見ます。年度によって難しさも違うため、一回の得点だけで配分の良し悪しを決めず、同じところで止まり続けていないかを確認します。

急ぐと間違いが増えるとき、家庭で抱え込まない

時間内に終えることを意識した結果、設問の条件を読み落としたり、本文を取り違えたりするなら、短くする時間を見直す必要があります。正確に理解する練習と、制限時間の中で解く練習を組み合わせ、どこまでできるようになったかを確認していきましょう。

ご家庭では、「もっと速く」と繰り返し声をかけるより、時間の記録と答案を残すことが役立ちます。「本文を読み終えてから、問三と問四で長く迷っていた」「書き直しが増えて、最後の記述に入れなかった」といった情報があると、相談の内容が具体的になります。

家庭で計り続けることが負担になる場合や、どこで時間を使っているか本人にも説明できない場合は、実際に解く様子を講師に確認してもらいましょう。答案の正誤だけでは見えない、考えている途中の迷いを確かめる必要があります。

国語ゼミでは、講師とのディスカッションを通して根拠を言葉にし、記述はその場で添削・書き直しを行います。完全個別で、志望校と現在の課題に合わせて教材や進度を設計しています。指導メソッドはこちら。

次の演習では、時間を使った場所を一つ確かめる

国語の時間不足を見直すときは、まず、読む・探す/選ぶ・書くという三つの場面に目を向けます。

読む途中で止まるなら、言葉や一文の意味を確認する。根拠を探す時間が長いなら、本文に戻る前に何を探すか決める。記述の書き直しが多いなら、書く内容を整理してから解答欄に向かう。見つかった課題に応じて、練習を選びましょう。

そして、時間が短くなったかだけでなく、正確に答えられたかまで確かめます。まずは次の大問一つで、どこに時間を使ったのかを記録してみてください。そこから、次に変えることを一つ決められます。

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