こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!
過去問を解き、丸つけをして、解説を読む。間違えた問題をもう一度解くと、今度は正解できる。ところが、別の年度の問題に取り組むと、また同じようなところで間違えてしまう。
秋に入り、志望校の過去問を進めるなかで、こうした様子が気になっているご家庭もあるでしょう。解き直しはしている。それでも、次の問題につながっているのかが見えない。何年分も解かせる前に、復習のやり方を見直したくなる場面です。
国語の解き直しでは、最初にどう考えて間違えたのかを確かめ、次の問題で何を確認するかまで決めることが大切です。
この記事では、丸つけの後に行う復習を四つの手順に分けて説明します。ご家庭で何を残し、どこから講師に相談すればよいかも、具体例とともに整理します。
解き直しで正解できたとき、確かめたいこと
一度解説を読んだ問題では、正解の記号や、模範解答の言い回しを覚えていることがあります。その記憶を手がかりに答えれば、二回目は正解できます。ただ、その結果だけでは、初めて読む文章でも同じように解けるかどうかまではわかりません。
そこで確認したいのが、答えに至るまでの説明です。
たとえば、選択問題なら、「本文のこの部分と合っているから、この選択肢を選んだ」と言えるか。記述問題なら、「この問いでは理由を聞かれているので、本文からこの内容を使った」と説明できるか。本文を見ながらで構いません。根拠の場所を暗記する必要もありません。
一方で、「解説にそう書いてあった」「さっき答えを見たから」という説明で止まるなら、復習をもう少し進めたいところです。解説を読んで納得したことを、自分でも確かめられる状態にしていきます。
復習の途中で説明に詰まっても、すぐに「わかっていない」と責める必要はありません。どこをもう一度確認すればよいかが見えた、と考えてください。
過去問を復習する四つの手順
最初の考えを振り返り、次の問題で使う確認方法につなげます。画像をタップすると拡大できます。
1.最初の答案と、そのときの考えを残す
丸つけをしたら、まず、間違えた答案を消さずに残します。書き直しは隣の余白や別の紙に行い、最初と最後の答案を見比べられるようにしてください。
選択問題で最後まで迷った選択肢や、本文に引いた線も、復習の手がかりになります。残しておくと、「どこを見て答えたか」が後からわかります。
覚えているうちに、お子さん本人が、短くメモを添えておくとよいでしょう。
- 「選択肢の前半が本文と同じだったので選んだ」
- 「理由を聞かれていたが、出来事だけを書いた」
- 「傍線部の前しか見ていなかった」
- 「時間がなく、この問題は読んでいなかった」
ここでは、きれいな反省文を書く必要はありません。考えを思い出せなければ「覚えていない」で構いません。わからない部分を、もっともらしい説明で埋めないことも大切です。
特に、時間切れで手をつけなかった問題と、考えた末に間違えた問題は、分けておきましょう。前者は、解答を見る前に改めて取り組めば、時間があれば解ける問題だったのかを確認できます。
2.設問の要求と、本文の根拠を確かめる
次に、「何を聞かれていたのか」と「本文のどこを使って答えるのか」を確認します。記述なら、理由・内容の説明・気持ちなど、求められている答えの種類にも目を向けます。
短い例で考えてみましょう。
地図アプリを使えば、初めての町でも目的地まで迷わずに行ける。しかし、画面が示す道をたどるだけでは、途中に何があったか覚えていないこともある。ときには画面から目を上げ、周囲の景色を確かめながら歩きたい。目的地に着くまでの時間にも、その町を知る機会があるからだ。
問:筆者が、周囲の景色を確かめながら歩きたいと考えるのはなぜですか。本文に即して説明しなさい。
※本文・設問・答案は、解説のために作成した例です。実在の入試問題ではありません。
この問いに対して、次のように答えたとします。
地図アプリを使えば、初めての町でも迷わず目的地に行けるから。
答案に書かれた内容自体は、本文にあります。しかし、これは「地図アプリを使う利点」の説明です。聞かれているのは、「周囲の景色を確かめながら歩きたい理由」なので、問いと答えがかみ合っていません。
復習では、まず設問の「周囲の景色を確かめながら歩きたい」に注目し、どの行動について理由を聞かれているのかを確かめます。そのうえで、本文の最後の一文と結びつけます。
すると、解答例は次のようになります。
目的地へ向かう途中の景色にも目を向けることで、その町を知ることができるから。
ここで残したいのは、「問われている行動と、自分が理由を説明した行動がずれていた」という気づきです。「本文に書いてあることを使った」というだけで終わらず、それが設問への答えになっているかまで確かめます。
選択問題でも考え方は同じです。最後まで迷った選択肢について、本文と合う部分、合わない部分を解説と照らし合わせます。選択肢の一部分だけを見て決めていなかったか、確かめてみてください。
3.解説を閉じて説明し、答案を書き直す
根拠を確認できたら、解説と模範解答を閉じます。本文と設問を見ながら、何を答える問題だったか、どこを根拠にするかを説明し直してみましょう。
先ほどの例なら、次のような説明になります。
「景色を見ながら歩く理由を聞かれている。最後に、その町を知る機会があると書いてあるので、それを使って答える」
このように言えれば、その内容を文章にして書き直します。うまく説明できなければ、詰まった箇所を解説で確認してから、もう一度取り組みます。
見てほしいのは、最初の答案から何が変わったかです。先ほどの例なら、答えの対象が「アプリを使うこと」から「景色を確かめること」へ変わっています。この違いを本人が説明できることに意味があります。
模範解答と同じ表現にそろえる必要はありません。ただし、どこまで言い換えてよいか、必要な内容が入っているかを判断できない場合もあります。そのときは、疑問を残して講師に確認しましょう。
記述の採点については、関連記事の「中学受験の記述、家庭で添削しないほうがいい理由。それでも採点基準を知っておくと変わること」でも扱っています。
4.別の問題で、同じ確認ができるか確かめる
書き直しができたら、次に同じ種類の問題を解くときの注意点を、一つだけ残します。
先ほどの例なら、「理由を書く前に、何の理由を聞かれているか確認する」です。「よく読む」「ケアレスミスをなくす」より、実際の行動に移しやすい書き方にします。
その後、塾の宿題や別年度の過去問などで理由説明の問題に出会ったら、その確認を使ってみます。解いた後に、設問の対象を取り違えていなかったか振り返りましょう。同じ確認を使っても解けなければ、本文の理解や根拠の選び方など、ほかにも課題が残っている可能性があります。
復習のために、すぐ新しい問題集を増やす必要はありません。今使っている教材の中で確かめれば十分です。どの問題で練習すればよいかわからなければ、講師に選んでもらいましょう。
同じ問題を、次の学習日など少し間隔を空けて解き直す方法もあります。ただ、時間を置いても答えを覚えていることはあります。その場合も、正誤に加えて、根拠と手順を説明できるかを確認してください。
全部をやり直す時間がないとき、どの問題を選ぶか
受験学年の秋は、過去問に加えて塾の授業や宿題も進みます。間違えた問題をすべて同じ深さで復習しようとすると、学習が回らなくなることもあるでしょう。
まず丁寧に扱いたいのは、別の問題でも同じ間違いを繰り返しているものと、解説を読んでも答えまでの筋道を説明できないものです。
たとえば、毎回「理由を聞かれているのに出来事だけを書く」なら、その種類の問題を一つ選び、四つの手順で確かめます。共通する課題が見つかれば、次の演習で何に注意するかを決められます。
正解した問題でも、迷った末に選び、根拠を説明できないものは復習の候補です。反対に、意味を知らなかった語句は、調べて本文の中での意味を確認するなど、課題に合った方法で扱います。
志望校の問題でどこまでできるようにするか、時間のかかる難問をどの程度優先するかは、現在の到達度によっても変わります。家庭だけで判断しづらい場合は、復習する問題の優先順位から講師に相談してください。
復習の記録は、短く残す
復習ノートを作る場合も、本文や解説をすべて写す必要はありません。問題を見つけられるように学校名・年度・設問番号を書き、次の四項目を残せば、振り返る材料になります。
これに最初の答案と書き直しを添えれば、何を学び直したかが見えます。毎回すべての項目を埋めることが負担になるなら、まず「次に何を確認するか」だけでも構いません。
ノートを整えることに時間をかけすぎず、次の演習の前に読み返せる記録にしましょう。
ご家庭では、判断に迷ったところを講師につなぐ
ここまでの確認と書き直しは、お子さん本人が、塾の解説や教材を使って進めることを想定しています。保護者の方が、答えを一から教えたり、記述の点数を決めたりする必要はありません。
ご家庭では、最初の答案を残す、復習の時間を確保する、講師に聞きたい点を整理する、といった支え方ができます。本人が話せそうなら、「最初とどこを変えたの?」と一問について聞いてみるのもよいでしょう。
説明が止まったときは、すぐに答えへ誘導せず、「ここがまだわからない」と記録します。親子で正解を決めきろうとして長時間押し問答になるより、疑問の場所がわかる形で講師に渡すほうが、相談を進めやすくなります。
家庭での関わり方については、「併塾中のご家庭でできる、国語のフォロー」もあわせてご覧ください。
解き直しても同じ誤りが続く場合は
解説に出てくる言葉がわからない。根拠の一文は見つかるが、それが答えにつながる理由を説明できない。本文の内容は話せるのに、記述にすると必要なことが抜けてしまう。
こうした場合は、解き直しの回数を増やす前に、どの段階で止まっているのかを確認したいところです。文章を理解する段階、設問を捉える段階、根拠を選ぶ段階、答案にする段階では、必要な練習が異なります。
相談するときは、問題だけでなく、最初の答案、書き直した答案、わからなかった点を一緒に示してください。「何度やってもできない」よりも、「この一文を根拠にしたが、なぜこの答えでは足りないのかがわからない」と伝えられると、確認すべき点が具体的になります。
国語ゼミでは、本文の根拠を講師とのディスカッションで確かめ、記述はその場で添削して書き直す指導を行っています。志望校の過去問や類題に加え、通っている塾の教材に合わせた指導にも対応しています。指導メソッドはこちら。
次の一問に、確認することを一つ持っていく
過去問の解き直しでは、次の四つを順に進めます。
- 最初の答案と、そのときの考えを残す。
- 設問の要求と、本文の根拠を確かめる。
- 解説を閉じて説明し、答案を書き直す。
- 別の問題で、同じ確認ができるか確かめる。
最初から、すべての問題で取り組む必要はありません。まずは、繰り返し間違えている一問を選んでみてください。
その一問を通して、「自分はどこで読み違えたのか」「次は何を確かめるのか」が具体的になれば、次の過去問に取り組む目的もはっきりします。何年分終わったかに加えて、解くときの確認がどう変わったかにも目を向けてみましょう。