こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!
早慶の併願を考えるとき、多くの受験生が見落とすのが試験科目の構造的な違いです。英語と地歴の対策だけを考えていると、直前期に時間が足りなくなります。
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こんにちは。国語専門塾 国語ゼミの編集部です!
早慶の併願を考えるとき、多くの受験生が見落とすのが試験科目の構造的な違いです。英語と地歴の対策だけを考えていると、直前期に時間が足りなくなります。
早稲田大学と慶應義塾大学は、しばしば「早慶」とひとまとめに語られます。しかし国語という科目に関して、両大学の一般選抜は性格がかなり異なります。
大まかに言えば、早稲田大学は多くの学部で国語(現代文・古文・漢文)を課し、慶應義塾大学は一般選抜で国語を課さず、代わりに小論文系の科目を課す学部が多いという構図です。
つまり、早慶の併願とは、単に「同じレベルの2校を受ける」ことではありません。要求される能力の種類が部分的に異なる2校を、同じ年に受けるということです。ここを設計に織り込めていない受験生が、毎年一定数います。
上記はあくまで大枠です。早稲田大学でも、学部や入試方式によっては国語を課さない方式があります。慶應義塾大学でも、学部によって課される科目の名称と内容は異なります。また、入試科目は年度ごとに変更されることがあります。
出願にあたっては、必ず各大学が公表する最新の募集要項をご確認ください。本記事は、科目構造をどう捉えて計画を立てるかという考え方をお伝えするものです。
この構図が意味するのは、早慶を併願する受験生は、国語の対策と小論文の対策を並行して進める必要があるということです。
しかも、この二つは勉強の性質が違います。
性質が違うということは、直前期にまとめて処理できないということでもあります。特に小論文は、独学で完結しにくい科目です。
早慶併願の受験生に最も多い誤算がこれです。「小論文は書き方さえ覚えれば、秋からでも間に合う」という見立てで、対策を後回しにする。
書き方の型を覚えるだけなら、確かに短期間で可能です。しかし、型を知っていることと、制限時間内に評価される答案を書けることは別です。後者に必要なのは、書いて指摘を受けて書き直す往復の回数であり、これは圧縮できません。
秋から始めると、過去問演習と重なります。英語と地歴の仕上げが最も忙しい時期に、最も時間のかかる訓練を始めることになる。ここで小論文を捨てる決断に追い込まれる受験生を、毎年見ます。
一方で、二正面作戦は見た目ほど非効率ではありません。現代文の読解力と小論文の記述力は、同じ土台の上にあるからです。
現代文で行っているのは、筆者の主張を、論理マーカー(接続詞・指示語・対比構造)を手がかりに構造として取り出す作業です。小論文で行うのは、その逆——自分の主張を、読み手が構造として取り出せる形に組み立てる作業です。
読む訓練と書く訓練は、同じ論理構造を裏表から扱っています。だから、現代文の要約訓練は、そのまま小論文の準備になります。逆に言えば、現代文が曖昧なまま小論文だけを練習しても、伸びは頭打ちになります。
順序としては、現代文の読解——特に要約——を先に固め、そこから論述に接続する。これが最短です。
一方、古文・漢文は事情が異なります。慶應の多くの学部では使わないため、早稲田(および国公立・他私大)のための投資という位置づけになります。
だからこそ、ここは効率を優先すべき領域です。特に漢文は、国語のなかで最も学習範囲が狭く、短期集中で仕上げて時間を浮かせられる科目です。句法と重要語彙は体系的に決まっており、返り点に頼らず構造(SVO)で読む訓練を積めば、投下時間に対する見返りが大きい。
現実的な設計としては、高2の冬から高3の春にかけて古文・漢文を一気に仕上げ、高3の夏以降を現代文・小論文・英語・地歴に振り向ける形が組みやすくなります。古典を高3の秋まで引きずると、小論文に手が回らなくなります。
ここまで大枠を述べてきましたが、実務上、最も重要なのはこれです。
早慶はいずれも学部数が多く、同じ大学でも学部によって科目構成が異なります。さらに、入試方式の変更は珍しくありません。数年前の情報や、先輩の受験時の記憶をもとに計画を立てるのは危険です。
確認すべきは、最低限この四点です。
特に3は軽視されがちですが、同じ「小論文」という名称でも、要求される作業は学部によってかなり違います。課題文の要約が中心の学部もあれば、統計資料の読み取りを求める学部、法的・倫理的な論点への見解を問う学部もあります。名称だけで判断せず、必ず過去問を見てください。
以上をふまえた、標準的な組み方の一例です。
重要なのは、小論文を秋に始めないこと、そして古典を秋まで残さないことです。この二つを外さなければ、二正面作戦は十分に成立します。